英ジョンソン元首相が議員失職の可能性 議会で嘘の答弁をした疑惑
英ジョンソン元首相が議員失職の可能性 議会で嘘の答弁をした疑惑
英国のジョンソン元首相が、議会で嘘の答弁をした疑惑で、議員失職の危機に直面しています。ジョンソン氏は、新型コロナウイルスのパンデミック中に、自身や閣僚らが政府の規則に違反してパーティーを開いたことを否定してきましたが、その証拠が次々と明らかになっています。野党や一部与党議員からは、辞任を求める声が高まっています。
ジョンソン氏は、昨年12月18日にダウニング街10番地で開かれたクリスマス・パーティーに出席したことを認めました。この日は、ロンドンでは厳しいロックダウン下にあり、家庭内以外の集まりは禁止されていました。ジョンソン氏は、このパーティーは「仕事上の必要な会合」だったと主張しましたが、参加者の証言や写真などからは、楽しげな雰囲気で飲食やゲームを楽しんでいた様子が伝えられています。
また、ジョンソン氏は、今年5月25日にも自宅近くの公園で開かれたバーベキュー・パーティーに出席したことも認めました。この日は、イングランドでは屋外で最大30人までの集まりが許可されていましたが、参加者数はそれを超えていたと報じられています。ジョンソン氏は、「当時の規則に従って行動した」と述べましたが、野党からは「信じられない」と批判されています。
これらの疑惑に対して、英国議会下院では複数回にわたって追及が行われています。ジョンソン氏は、「私は常に正直かつ率直に答弁してきた」と主張しましたが、「嘘つきだ」「恥知らずだ」という非難やブーイングが飛び交う激しい場面も見られました。一部与党保守党議員からも不信感や不満が表明されており、支持率も急落しています。
英国では、「嘘つき」や「欺瞞的」な発言をした場合、「議会侮辱罪(contempt of Parliament)」という重大な違反とみなされます。これに該当すると判断されると、「議員資格停止(suspension from Parliament)」や「議員失職(expulsion from Parliament)」などの処分を受ける可能性があります。現在、下院倫理委員会(Committee on Standards)や内閣府(Cabinet Office)などが調査を進めており、結果次第ではジョンソン氏の政治生命に関わる事態となる可能性もあります。